紅茶と切っても切れないのが、ティーフード。ティータイムは大人の女性の、素敵なリラックスタイムでもあります。

英国でアフタヌーンティーが始まったのは、ビクトリア王朝時代になりますが、その頃から女性たちにとってアフタヌーンティー・タイムは特別な時間でした。始まりは1人の貴婦人が夕食までのつなぎに紅茶と一緒に軽くお菓子をつまんだことがはじまり。当時からこのアフタヌーンティーを楽しむのは主に女性で、男性の視線を気にして気取ることもなく、窮屈なコルセットを脱ぎ捨て、この至福のひとときを楽しんだのだとか。

さて。このティータイムに出てくる基本中の基本の代表的ティーフードといえば…スコーンです。紅茶を専門的に扱っているカフェなどに行くと、必ずメインメニューや人気メニューに名を連ねていますよね。焼きたてにホイップしたクリームとフルーツジャムが添えられ、アフタヌーンティー用のナイフが添えられて出てきます。味はプレーンを主体にチョコチップやフルーツが練り込まれたものやチーズ味などもあります。結構な大きさですが、フォークは付きませんので、ナイフでスコーンを横半分にスライスし、そこに添えられたクリームやジャムを乗せて手で食べます。

このスコーンにと並んで代表的なティーフードになるのが、サンドイッチ。とはいっても、ティータイムに楽しむものですから、米国やフランスのような野菜やサーモン、バケットハムが溢れんばかりに挟まれたボリュームのあるものではなく、サーモンやキュウリなどが薄切りで挟まれていて、上品に食べても2、3口では食べ終わるような小さなのが、英国のティーサンドイッチです。ティーカップのソーサーに乗るくらいの大きさ、というのが始まりだったようです。

ティータイムに出されるティーフードは、基本的に焼菓子です。スコーン以外ではショートブレッドと呼ばれるビスケットが、英国では主流。この“ショート”という言葉にはホロホロとしたもろいという意味があるそうで、このような食感のビスケットをこう呼びます。円形のショートブレッドを女性のペチコートに見立てて、ペチコートテールと呼ぶことも。

もうひとつ人気なのが、ビクトリアサンドイッチ。バターケーキを焼いた後に横半分にスライスし、そこにストロベリージャムを挟み込んだもの。シンプルでありふれた焼菓子ですが、紅茶との相性は抜群。ドライフルーツを使ったケーキも英国では人気ですが、日本人はドライフルーツは好みが分かれるところなので、ちょっと扱いにくいかもしれません。

また、日本では聞き慣れないトライフルという英国の伝統的なデザートもあります。これはイングリッシュ・ミルクティーを何杯もおかわりするほどだとか。器の中にスポンジケーキを敷いてシェリー酒が効いたシロップを塗り、その上にカスタードクリームを乗せます。さらにロゼワインゼリーをスプーンで崩しながら乗せます。この手順を2〜3回繰り返し、最後に生クリームで蓋をし、冷蔵庫で1時間以上冷やします。最後に好みのベリー類とミントを飾ってテーブルにお出しします。

ほかにも紅茶を使ったシフォンやパンナコッタ、ゼリーなども紅茶にベストマッチ。英国の軽い夕食タイムのハイティーでは、英国風シーフードパイや、チーズとチコリを使ったスティルトンソースが人気。他にも塩やチーズの風味が効いたミートパイやキッシュローレヌ、チーズのビスケットやパフも楽しめます。

基本的にイングリッシュ・ミルクティーは大半のティーフードに合います。ブラックティーを選ぶ時は、フードの特徴を考えて茶葉を選んで。

いろいろ試して、お好みの組み合わせを探してみて下さい。