Month1月 2014

美味しい紅茶にオススメのティーフードって?

紅茶と切っても切れないのが、ティーフード。ティータイムは大人の女性の、素敵なリラックスタイムでもあります。

英国でアフタヌーンティーが始まったのは、ビクトリア王朝時代になりますが、その頃から女性たちにとってアフタヌーンティー・タイムは特別な時間でした。始まりは1人の貴婦人が夕食までのつなぎに紅茶と一緒に軽くお菓子をつまんだことがはじまり。当時からこのアフタヌーンティーを楽しむのは主に女性で、男性の視線を気にして気取ることもなく、窮屈なコルセットを脱ぎ捨て、この至福のひとときを楽しんだのだとか。

さて。このティータイムに出てくる基本中の基本の代表的ティーフードといえば…スコーンです。紅茶を専門的に扱っているカフェなどに行くと、必ずメインメニューや人気メニューに名を連ねていますよね。焼きたてにホイップしたクリームとフルーツジャムが添えられ、アフタヌーンティー用のナイフが添えられて出てきます。味はプレーンを主体にチョコチップやフルーツが練り込まれたものやチーズ味などもあります。結構な大きさですが、フォークは付きませんので、ナイフでスコーンを横半分にスライスし、そこに添えられたクリームやジャムを乗せて手で食べます。

このスコーンにと並んで代表的なティーフードになるのが、サンドイッチ。とはいっても、ティータイムに楽しむものですから、米国やフランスのような野菜やサーモン、バケットハムが溢れんばかりに挟まれたボリュームのあるものではなく、サーモンやキュウリなどが薄切りで挟まれていて、上品に食べても2、3口では食べ終わるような小さなのが、英国のティーサンドイッチです。ティーカップのソーサーに乗るくらいの大きさ、というのが始まりだったようです。

ティータイムに出されるティーフードは、基本的に焼菓子です。スコーン以外ではショートブレッドと呼ばれるビスケットが、英国では主流。この“ショート”という言葉にはホロホロとしたもろいという意味があるそうで、このような食感のビスケットをこう呼びます。円形のショートブレッドを女性のペチコートに見立てて、ペチコートテールと呼ぶことも。

もうひとつ人気なのが、ビクトリアサンドイッチ。バターケーキを焼いた後に横半分にスライスし、そこにストロベリージャムを挟み込んだもの。シンプルでありふれた焼菓子ですが、紅茶との相性は抜群。ドライフルーツを使ったケーキも英国では人気ですが、日本人はドライフルーツは好みが分かれるところなので、ちょっと扱いにくいかもしれません。

また、日本では聞き慣れないトライフルという英国の伝統的なデザートもあります。これはイングリッシュ・ミルクティーを何杯もおかわりするほどだとか。器の中にスポンジケーキを敷いてシェリー酒が効いたシロップを塗り、その上にカスタードクリームを乗せます。さらにロゼワインゼリーをスプーンで崩しながら乗せます。この手順を2〜3回繰り返し、最後に生クリームで蓋をし、冷蔵庫で1時間以上冷やします。最後に好みのベリー類とミントを飾ってテーブルにお出しします。

ほかにも紅茶を使ったシフォンやパンナコッタ、ゼリーなども紅茶にベストマッチ。英国の軽い夕食タイムのハイティーでは、英国風シーフードパイや、チーズとチコリを使ったスティルトンソースが人気。他にも塩やチーズの風味が効いたミートパイやキッシュローレヌ、チーズのビスケットやパフも楽しめます。

基本的にイングリッシュ・ミルクティーは大半のティーフードに合います。ブラックティーを選ぶ時は、フードの特徴を考えて茶葉を選んで。

いろいろ試して、お好みの組み合わせを探してみて下さい。

コミニュケーションの場にティーパーティーはいかが?

大勢の人を招いての大掛かりなホームパーティは自信がない…。

そんなあなた!まずは手軽に始められる、ティーパーティを開いてはみませんか?もちろん、ティーパーティだって豪勢にしようと思えばできますが、おやつタイムの時間帯なら、軽めの食事や焼菓子などで十分おもてなしが出来るのでティーパーティは最適です。

ティーフードはサンドイッチやスコーン、マフィンなどでおもてなしをします。主役はあなたの入れる紅茶です。

3〜4時頃なら、アフタヌーンティー・パーティにになります。ここでは1番開催しやすアフタヌーンティーの時間帯のパーティを紹介しましょう。

英国式のアフタヌーンティー・パーティはまさに社交の場です。

一般家庭でのカジュアルなティーパーティでは、客間などで数名で楽しむ屋内スタイルか各家庭の庭で気軽に楽しむ屋外スタイルのいずれかで行います。

開催する時にはテーマを決めます。英国では季節より人を重んじますので、人に関するテーマを考えて。

カラーも決めましょう。テーマに合った色を選びます。それに準じて、飾る花を決めたり、テーブルクロスや茶道具も決めていきます。エンジェルなどの飾り置物も飾って、華やかさを演出します。

招待人数を決め、招待客が決まったら4週間前までに招待状を送ります。

英国式のティーパーティにはいくつかの決まり事がありますので、紹介します。

・スピーチを入れない

くつろいだ雰囲気で会話を楽しむのがティーパーティ。堅苦しい挨拶はNGです。

・主催者は全員のコミニュケーションに気配りを

黙々食事をしていたり、会話が弾まないティーパーティは失敗です。楽しい雰囲気づくりをするのもおもてなしです。

・生の音楽に気配りします

楽器を演奏できる人がいれば生演奏お願いするなどします。それが難しい時には和やかな雰囲気になるような音楽CDでも十分です。

・お茶とお茶菓子を用意します

紅茶はウェルカムティーを含め、2〜3種類の異なる風味のものを。

ティーフードには1点、必ず開催する土地の特産のお菓子をひとつ加えます。スコットランドならスコッチケーキ、ウェールズならバラブリズとかね。ティーフードも一般的には3種類用意します。サンドイッチ、スコーン、デコレーションケーキなどです。一般家庭での開催の時には、3段のティースタンドは使用せず、お皿に綺麗に盛りつけしてお出しします。

・テーブルクロスや茶道具などのセッティング

ティー用のテーブルクロスを用意します。ソフトな印象に仕上がるような、レースやワンポイント刺繍が入っている、薄手で繊細な感じのものを選びましょう。ティーナフキンやティーコジーはお揃いにするとおしゃれです。茶道具やティー食器はディナー用よりも小さめで繊細でソフトなデザインです。購入する時にわからない場合は店員さんに相談しましょう。テーブルに飾る花はテーブルの6分の1以下で、前の人の顔が見える大きさで活けます。

などなど、いろいろと挙げましたが、これはきっちりとした英国式。これをベースに、自分なりのカジュアルなティーパーティをセッティングして、気軽に楽しくコミニュケーションできる場を設けるのでもいいでしょう。

暑い夏に最適のアイスティー!発祥の地は米国?

アイスティーの歴史はそう古くはありません。冷たい紅茶が発祥したのは英国ではなく米国でした。

1904年に米国・セントルイス万国博で、英国人のリチャード・ブレチンデンは紅茶を健康的で美味しい飲み物として紹介していました。ところが季節は夏。7月の猛暑の中、熱い紅茶は見向きもされなかったのです。一度は絶望感を覚えたものの、彼はふと思いつきます。氷を入れてはどうか…と。氷の塊を入れ、彼は叫びました。

「冷たい紅茶はいかがですか!」

途端、彼のもとに人々が群がり、冷たい紅茶は瞬く間に大人気になったのです。

しかし、発祥が米国だったことと、熱い紅茶を飲むことが正統だとする英国では、なかなか受け入れてもらえませんでした。

実は、灼熱のインドやスリランカでも冷たい紅茶を飲む習慣はありません。これはアイスティーを否定している訳でなく、単に氷を作るものがないから。氷は貴重な高価なもので、日常的に飲む紅茶に入れるにはあまりにも惜しいものなのです。

アイスティーは氷を入れるため、熱い紅茶と同じ入れ方だと時間経過とともに氷が溶けて薄くなります。これを解消するのが2度取りです。

先に気をつけたいのは、抽出する量です。1杯分で入れようとすると、アイスティー用の紅茶は美味しくできません。最低でもティースプーン軽く2杯分の茶葉に、熱湯280〜300ccで作ります。茶葉はスリランカ産のキャンディやディンブラなどのクセのないものがオススメ。

ティーポットに分量の茶葉を入れ、そこに勢いよく熱湯を注ぎ込み、10〜15分間放置してしっかりと蒸らします。時間が経ったら、茶葉を漉しながら口の広い容器へと紅茶を移します。別の容器の8分目まで氷をいれ、そこに漉した紅茶をさらに移して急冷させます。冷蔵庫でゆっくりと冷やしてしまうと、タンニンが結晶化して紅茶の水色が白っぽく濁ってしまうクリームダウンを起こしてしまうからです。

これが2度取りという方法です。アイスティーもさまざまなバリエーションを楽しめます。

【アイスティーの一例】

すべて1人分で紹介します。シュガーシロップはお好みで。

・アイスオレンジティー

夏の人気者です。オレンジの輪切りを2枚用意します。1枚をいちょう切りにしてグラスの中へ。その後に、クラッシュアイスをグラスの7分目まで入れ、2度取りのアイスティー120ccを注ぎます。オレンジの輪切りをグラスの縁に飾るか、グラスの中で浮かべて完成。

・アイスグレープフルーツミントティー

清涼感たっぷりのアイスティー。ミントはフレッシュ(4〜5枚用意)でもドライ(ひとつまみ)でもOK。飾り用を少し残し、残りは茶葉(ティースプーンに軽く1杯分)と一緒にティーポットに入れて2度取りのアイスティーを作ります。この場合、2人分を作るほうが美味しくできます。グレープフルーツの舟形切り2枚のうち、1枚は飾り用。もう1枚を3〜4等分してグラスの中へ。クラッシュアイスを7分目まで入れて、2度取りしたアイスティー120ccを注ぎます。グレープフルーツをグラスの縁に飾り、ミントを浮かべて完成。

・アイスレモンミルクティー

意外な組み合わせだけど、なぜかピッタリ。レモンの輪切りを2枚用意し、1枚をいちょう切りにしてグラスの中へ。クラッシュアイスを7分目まで入れ、2度取りしたアイスティー120ccを注ぎ、さらにミルクを30cc注いで撹拌。1㎝四方のレモンの皮2枚のうち、1枚は潰しながらグラスの縁によせて香り付けに、残りの1枚は飾り用に細切り。輪切りレモンをグラスの縁に飾り、ミルクティーにホイップクリームを浮かべ、その上にレモンの皮の細切りを飾って完成。

イングリッシュorインディアンどちらのミルクティーがお好き?

紅茶の本場・英国で愛され、世界中にファンが多いのがミルクティー。日本人にも愛飲家はたくさんいます。

実はこのミルクティー、レシピは英国などのヨーロッパ圏だけではなくインドやスリランカにもあります。

大きく分けて2タイプのミルクティーの入れ方があります。ひとつは英国式の入れ方のイングリッシュミルクティー。もうひとつはインドやスリランカ式のインディアンミルクティー。チャイともいわれます。

イングリッシュミルクティーの入れ方は紅茶とミルクをカップで混ぜます。

紅茶はあとで冷たいミルクと混ぜるので、先に温くなってしまわないようにポットを熱湯で1〜2分温めてから使用します。温めたポットにティースプーンで人数分+1杯の茶葉を入れ、新鮮な水で沸かしたお湯を注ぎます。酸素がたくさん入るよう、高い位置から入れ、ポットの中でしっかりジャンピングが起こるようにします。

イングリッシュミルクティーで使うのはサラッとした低温殺菌の不均質ミルク。温めておいたカップにミルクを注ぎ、そこに濃いめの紅茶を9分目位まで注ぎます。ミルクは少量だとミルキーさがでないのでたっぷりと。1杯につき20〜30ccが目安です。ここでは先に入れる方法を紹介しましたが、ミルクは紅茶より後でも先でも構いません。

ティーパーティで振る舞われるのは、一般的にこのイングリッシュミルクティーです。

一方、インディアンミルクティーの入れ方は鍋で煮出して作ります。

手鍋にぬるま湯(1人分140cc)をいれ、人数分+1杯の茶葉を入れます。茶葉はブラックティーよりも多めのさじ加減です。手鍋を火にかけたまま、中で茶葉が完全に開いて紅茶エキスが十分に抽出されるまで煮出します。手鍋を数回揺すって茶葉がほとんど沈むならOK。UHT殺菌の均等ミルクを人数分(1人分210cc)注ぎます。手鍋の内側に細かい泡が立ち、沸騰直前のこんもりした状態になったら火を止めます。沸かし過ぎると風味をそこなうので気をつけて。

ちなみに不均質のミルクを使う場合にはミルク100%で作ることができます。茶葉は事前に茶葉が浸るくらいの少量水かぬるま湯につけて紅茶エキスが出やすいように開かせておくとしっかりとした色で煮出せます。

インディアンミルクティーは仕上がりが重いため、濃厚な料理やお菓子には合いません。この1杯だけを楽しむために入れるのがオススメ。スパイスとの相性も抜群です。

また、ミルクティーはハーブやスパイス、アーモンドやナッツなどを使った入れ方もありますが、まずはイングリッシュミルクティーを美味しく入れられるようになりましょう。応用を利かせた入れ方が多いのがミルクティーです。ミルクの性質を理解し、濃いめの紅茶で作るのが基本です。日本の水の大半は軟水なので、場合に寄っては茶葉を多めにすることも必要かも知れません。

「え、ロイヤルミルクティー?」

実はロイヤルミルクティーという名称のミルクティーが存在するのは日本だけ。和製英語なのです。これはイギリス王朝風の入れ方のミルクティーのことです。1人分のレシピで入れ方を紹介しますね。

ティースプーン2杯分の茶葉をあらかじめ小皿で熱湯に浸しておき、紅茶エキスが出やすい状態にしておきます。

手鍋にティーカップの4分の1〜2分の1の量の水と2分の1〜4分の3の量の常温ミルク(不均質ミルクがいいです)を入れて、緩やかに加熱し、沸騰直前で火を止めます。小皿の茶葉を手鍋に入れ、蓋をして蒸らします。茶漉しで漉してティーカップに注ぎ、好みでグラニュー糖を加えて頂きます。

熱湯の割合が多いとすっきりと、ミルクの割合が多いと濃厚な味わいを楽しめます。

カクテルで楽しむ!大人のためのカクテルティー

芳醇で、味も香りも視覚的にもおしゃれなティーカクテルは、大人だけが楽しめる特別な紅茶です。

昼間の社交の場で飲まれる、気品溢れる飲み物としてのイメージが強い紅茶ですが、その魅力のひとつは幅広い層に飲まれる飲料水であり、バリエーションが広げやすいあります。

香りも豊富でアレンジしやすく、ミルク、フルーツ、ハーブやスパイス、スピリッツとまで相性がいいのですから、カクテルとしての可能性も無限です。ティーカクテルはアイスティーをベースに作りますが、ミルク、フルーツ、ハーブやスパイス、各種フルーツジュースとブランデー、ウイスキー、ラム酒、ウォッカ、梅酒、各種リキュールと混ぜて作ります。

ティーカクテルはレシピが豊富で、カクテルの知識がある人はいろんなバリエーションを自分で作り出すこともできるでしょう。ただ、ティーカクテルで大切なのは、使った茶葉の特徴を生かして入れること。香りも楽しめるのが紅茶の醍醐味ですから、これがなくては紅茶でカクテルを作る意味がありません。ティーカクテルでは、アールグレイなどの着香茶も活躍させることができます。

【ティーカクテルの一例】

ティーカクテルは2度取りで作った濃いアイスティーをベースにします。カクテルそのものの作り方としてはシンプルですが、材料の支持が細かくあります。ここでは、ティーカクテル初心者でもお家ですぐに作れるレシピを紹介します。

・ミントフレーバー

紅茶に柑橘系、梅酒の組み合わせは、アイスティーに限りベストマッチ。予想外の美味しさがあります。

梅酒10cc、グレープフルーツ果汁4分の1個分、シュガーシロップ20ccをよく混ぜてミントエッセンスを1〜2滴落としてカクテルを作ります。グラスにカクテルを注ぎ、それからあらかじめよく冷やしておいた2度取りのアイスティーを注ぎ、軽く撹拌。厚さ7〜8mmのグレープフルーツの舟形切りとフレッシュミントの葉を乗せて出来上がり。

・スパークリングティー

炭酸水入りのすっきりとしたカクテルです。

グラスにラム酒とシュガーシロップをそれぞれ30cc、レモンもしくはライム果汁を10cc入れてカクテルを作ります。それからクラッシュアイスをグラスの7分目まで入れてから、2度取りで作ったアイスティー100ccを注ぎ、次いで無糖炭酸水30ccを注いで軽く撹拌。レモンもしくはライムの輪切りを浮かべて出来上がり。

・ワインレモネード

レモンをワインで割ったことで酸味が和らいだ、視覚的にも美しいカクテルです。

赤ワイン20ccとレモン果汁2分の1個分でカクテルを作ります。その後、あらかじめよく冷やしておいた2度取りで作ったアイスティー100ccをグラスに注ぎ、シュガーシロップを40cc加えて撹拌。最後に赤ワインとレモン果汁のカクテルをグラデーションになるように静かに注いで出来上がり。

・サマーイングランド

英国の伝統的なイングリッシュ・ミルクティーに芳醇な香りが加わったカクテル。大人のためのイングリッシュ・ミルクティーです。

グラスにあらかじめよく冷やした2度取りで作ったアイスティー100ccとブランデー10cc、シュガーシロップ20ccを入れて混ぜ、バニラエッセンス1〜2滴を落としてしっかり撹拌。最後にミルク30ccを入れて混ぜれば出来上がり。

これらの材料なら、お家にあるものや近所のスーパーで手に入れることも簡単!もっと楽しみたくなったら、色々調べて作れます。あなたもティーカクテルデビュー、しませんか。

ちょっと大人のティータイム・スピリッツティー

紅茶で身体を温めるのに効果的なのが、ブランデーを含んだスピリッツティー。宝珠運な香りを楽しめるだけでなく、寒い時期に身体を温める目的で作られた、ちょっと大人な紅茶です。

スピリッツティーはヨーロッパ圏だけではなく、ロシアやヒマラヤの山岳地帯などの地酒を加えたレシピが世界のあちらこちらでみられます。入れたての熱い紅茶にウイスキーやブランデーを適量注ぐという、ごくごくシンプルな飲み方がベーシックな方法ですが、フルーツやジャム、ハーブ、スパイス、さらにはミルクなどを組み合わせることによっていろんなレシピを作ることが可能な、振り幅の広い飲み方でもあります。

ホット・ティーカクテルといった雰囲気ですが、食前・食後に飲まれていて、寒い日の夜はナイトキャップティーとしても好まれています。

【スピリッツティーの一例】

茶葉は1人分をティースプーンに軽く2杯です。レシピに寄って選ぶ茶葉は異なります。

・チェリーブランデーティー

温めたカップにチェリーブランデーをティースプーン1〜2杯とマラスキーノ漬けのレッドもしくはグリーンのチェリーをセット。上からティースプーン1杯分のグラニュー糖を振りかけます。ドライカモマイルひとつまみと茶葉ティースプーンで軽く2杯。茶葉はクセのないナチュラルなものを選ぶのが理想です。お湯を注ぎ、蒸らし終えたらカップに紅茶を注ぎます。

・ルシアンティー(ロシアンティー)

極寒のロシアで身体を温める目的と、ジャムの摂取でカロリーを補うために考え出された飲み方です。

茶葉はアッサムやダージリン、ウバなどの渋めのものをチョイス。ティースプーンに軽く2杯分をポットに入れ、お湯を注いで蒸らします。ジャム(ストロベリーやブルーベリーなど)を小皿に入れておき、ウォッカをティースプーン1〜2杯振りかけておきます。ウォッカが強く感じる人はロゼワインでは代用できないので、アルコールは抜きで。紅茶をカップに注いだら完成。ジャムを舐めてから、紅茶で流すのがルシアンティーの飲み方。ジャムが余ったら、紅茶に混ぜて飲んで下さい。

・シェルパティー

ヒマラヤ山脈地帯にすむシェルパ民族に伝えられている飲み方です。民族の伝統に従ったレシピだと、正直、クセがありすぎて美味しいとは言えませんが…高山病予防のためにビタミンCたっぷりの山葡萄の搾り汁と、赤ワイン、蜜を身体を温めるための紅茶に入れて飲んでいるといえば、まあ、納得です。ここのレシピは美味しく飲めるようにアレンジされたものです。

葡萄(巨峰かマスカット)1粒を縦半分に切り、ちょっと潰してポットに入れます。残りの半分はさらに半分に切って、温めたカップの中へ入れ、グラニュー糖とロゼワイン(どちらもティースプーン1杯分)と振りかけてセット。茶葉をティーポットに入れてお湯を注ぎ、蒸らします。茶葉はクセのないスリランカ産などを選んで。キャンディがオススメ。紅茶をカップに注いだ後、葡萄の房を縁に飾るとおしゃれ。

また、ミルクを使ったスピリッツ・ミルクティーというものもあります。温めたカップにミルクを注ぎ20〜30cc注ぎ、そこにブランデーもしくはアイリッシュウイスキーを注ぎ、最後に蒸らした紅茶を入れるだけ。ブランデーで入れたものをブランデーミルクティー(茶葉はダージリン、キーマン、ウバ、ヌワラエリア、アールグレイを選んで)。アイリッシュウイスキーで入れたものをアイリッシュミルクティー(茶葉はアッサム、キーマン、ウバを選んで)といいます。

身体が冷えやすい人や寒い夜は、スピリッツティーで温まりましょう。

ハーブやスパイスは料理だけじゃない!ハーブ&スパイスティー

紅茶にはハーブやスパイスを使った入れ方もあります。

ハーブやスパイスは香りがよく、風味に豊かさを与えます。健康維持にも効果的な成分を含んでいるため、ヨーロッパ圏では古くから活用されています。紅茶でも、ハーブやスパイスで香り付けしたり、薬効を取り入れるための使われます。

ハーブティーは季節のハーブを使ったフレッシュタイプがベストですが、ドライハーブなら年中好きな香りを楽しめます。ちょっと香る程度に使うのですが、ハーブティーに薬効を期待して飲むのであれば、ハーブをちょっと多めで。

ハーブティーもスパイスティーも食欲増進や身体を芯から温めるなどの効果が期待できるため、ヘルシー紅茶として愛飲している人も。風味を生かした仕上がりにしたいので、茶葉は味が軽くて渋みが少ない、ナチュラルで優しい香りのものを。スリランカ産のキャンディやディンブラ、ケニアのCTC茶、インド産のニルギニが相性がいいです。

一方で、味わいとしては劣るものの、個性的な香りを楽しむ作り方もあります。例えば着香茶のアールグレイにハーブのレモンバームやレモングラス、ローズマリーを合わせると風味が一段と増します。他にもアッサムやダージリンなどにハーブやスパイスをちょっとだけ加えてみても。入れ過ぎると失敗するので、加えるのはほんのちょっとだけ。

また、ハーブティーやスパイスティーにフルーツをプラスすることも出来ます。ハーブやスパイスの中にはフルーツとよく似た香りを持っているものもあるからです。ハーブではカモマイルは林檎、レモンバームはレモン。スパイスでは、カルダモンやジンジャーが柑橘系のフルーツに似た香りを持っています。

ハーブティーやスパイスティーは基本的に紅茶が勝って飲みやすく、さらに加えられた新しい風味も楽しめます。そこにフルーツをプラスすると、ハーブやスパイスの香りがより引き立てられ、甘味によって紅茶の美味しさもレベルアップします。あくまでフルーツは隠し味ですので、加える量には気をつけて。

ドライハーブを使って紅茶を入れる際は、フレッシュハーブよりも控えめに加えること。ドライハーブは香りも味も凝縮されているので、使い過ぎると紅茶の風味を損ねます。割合は使用する茶葉に対して10〜20%程度で十分です。

【ハーブティー/スパイスティーの一例】

1人分の茶葉はティースプーンに軽く2杯分です。茶葉を蒸らした後、このカップに紅茶を注ぎます。

・ミントティー

フレッシュミント1〜2枚を温めたカップに入れ、グラニュー糖(ティースプーン2分の1)と風味付けのロゼワイン
(ティースプーン3分の1)を一緒にセッティング。ポットにはミントをフレッシュなら3〜4枚なら軽く揉んでから、ドライならそのままひとつまみ入れます。茶葉を入れてお湯を注ぎ、蒸らします。

・アップル・カモマイルティー

温めたカップにいちょう切りの林檎(王琳)を2切れセット。カモマイルはフレッシュなら3〜4本、ドライならひとつまみ、林檎1〜2切れと一緒にポットに入れます。茶葉を入れてお湯を注ぎ、蒸らします。紅茶を注いだ後、カップにカモマイルを1本添えます。

・グレープフルーツ・カルダモンティー

カルダモンは2〜3粒用意します。飾り用のカルダモンを1粒残し、後は皮付きのまま指で潰してポットへ。薄くそいだ1㎝四方のグレープフルーツの皮1〜2枚も、指で少し潰してポットに入れ、茶葉を入れてお湯を注ぎ、蒸らします。温めたカップに紅茶を注ぎ、半月切りにしたグレープフルーツをカップの縁に飾り、カルダモンの粒を添えます。

ハーブやスパイスとフルーツでオリジナルティーを作ってはいかが?

フルーツで楽しむ紅茶・フレッシュフルーツティー

紅茶はブラックティー以外にもいろんな楽しみ方があります。

そのひとつが果物を使った入れ方。ここではフレッシュフルーツティーについて紹介していきます。

紅茶の香りは、科学的に分析すると薔薇・菫・鈴蘭の花束になるんだそう。そんなことから、紅茶の風味の表現には“フラワリー”とか果物のようだという意味で“フルーティー”といった言葉が使われます。

これらの言葉からもわかるように、紅茶自体がとても優しくて甘い香りを持っているので、果物との相性も抜群!

茶葉と一緒に果物をティーポットの中で蒸らし、紅茶にフルーツの香りと甘味を付加して新たな風味を生み出すのが、フレッシュフルーツティーです。

フレッシュフルーツティーに使う果物を選ぶ時重点をおくのは香り。熟していて甘味があるかではなく、紅茶と一緒に入れた時にどんな香りになるのかが重要なのです。

また、完熟した果物をティーポットに入れてしまうと、果肉が弱くなっているためティーポットの中で崩れてしまい、せっかくの紅茶の色を濁してしまうことに…だから新鮮で香りが良いものがベストなんです。直接ポットやカップに入れるものなので、無農薬や低農薬のものを選んで、綺麗に洗ってから使用しましょう。

フルーツティーに向いている茶葉は、以下の条件を満たすものになります。

・味が軽くて渋みが少ない

・フルーツの酸と交ざっても水色が失われない

・フルーツの香りが弱くならない、短い時間で摘出できる

・ナチュラルで優しい香り

これらをすべて満たしている茶葉は、スリランカ産の茶葉。特にキャンディとディンブラがオススメで、これらがブレンドされているケニアのCTC茶やインドネシアの紅茶も使えます。インドの茶葉を使いたい人はニルギニを。

フルーツティーは見た目が華やかなので、耐熱ガラス製のポット&カップを使うのもいいですね。

フルーツティーは果物の特徴を把握して、作る必要があります。柑橘系は果肉から酸がたくさん出る上、クエン酸が水色を薄くしてしまうので皮だけ使います。反対にバナナは皮からアクが出てしまうので果肉だけ。パイナップルやメロンも、皮を一緒に入れちゃうのは抵抗が…桃系や林檎系は皮も果肉もそのまま使えます。

フルーツはあくまでも紅茶にマッチする程度に使います。美味しそうだからついたくさん入れたくなるかもしれませんが、そうすると紅茶の良さが損なわれ、アクや酸味で味や色が台無しに。ほのかに香るのがフレッシュフルーツティーだと覚えていて下さい。

【フレッシュフルーツティーの一例】

1人分に対して、ティースプーン軽く2杯の茶葉を使います。カップにセッティングした果物で柑橘系以外のものには風味付けのロゼワインをティースプーン3分の1垂らします。ポットの茶葉を蒸らし終えた後、カップに紅茶を注いで頂きます。

・アップルティー

林檎は王琳。厚さ2〜3㎜のいちょう切り
を4〜5枚用意し、2枚は温めたカップにセッティング。ロゼワインを垂らします。残りを茶葉と一緒にティーポットに入れてお湯を注ぎ、蒸らします。

・ストロベリーティー

ヘタがついた苺1個を横半分にカット。上の部分はさらに半分にカットして温めたカップに入れてロゼワインを垂らします。下半分は指で潰して茶葉と一緒にティーポットへいれてお湯を注ぎ、蒸らします。

・オレンジティー

厚さ2〜3㎜のオレンジの輪切りを温めたカップにセッティング。ポットには約1㎝四方のオレンジの皮を2〜3枚、潰して茶葉と一緒に入れてお湯を注ぎ、蒸らします。

ここではベーシックなものを挙げましたが、いろんなフルーツのレシピが本やネットでも紹介されてますから、ぜひチャレンジしてみて下さい!

優雅にティータイムを楽しみたい人のための茶器とアクセサリー

ティータイムを優雅に楽しむために欠かせない茶器&アクセサリー。紅茶は入れる道具、テーブルセッティングなどすべてが華やかです。

紅茶通になりたい人のために、ワンランク上の紅茶道具を紹介しましょう!

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・ティーポット

これがなきゃ紅茶は入れられません。英国に茶が流行して当初は中国茶器のみ。高級品だったため角形の銀色のポットが主流でした。後に英国は紅茶用の丸形銀製ポットを開発。やがて陶器のティーポットが作られるように。

現在では牛の骨の粉を練り込んだ土で焼き上げたボーンチャイナが主流で、美しい白の風合いが特徴。硬度が高くて保温性にも高いので、紅茶を飲むのに最適です。美味しい紅茶を入れるには、ジャンピングが起こりやすい丸型の形状のものを選んで。

・ティーカップ

カップも受け皿も、ポットと一緒に中国から伝わりました。17世紀半ばには、中国で小型で綺麗なヨーロッパ向けのカップと受け皿が作られ、ヨーロッパの陶工師たちも中国製のものを模造してました。しかし小さくて使いにくい!職人たちはビールやエールのカップヒントを得て、ティーカップにも把手も付けました。最初は両手持ちだったのですが不人気で、最終的には片手持ちに。

やはりボーンチャイナが主流で、コーヒカップよりかなり薄手。これは紅茶の繊細な風味をしっかり味わうためです。光を取り込んで水色を美しくみせ、紅茶の香りが広がって楽しめるようにと、紅茶のカップは直径が大きい、浅い形状のものが主流です。

・茶漉し(ストレーナー)

原点はモートスプーンと呼ばれる小さな穴が空いたもの。細かい形状の茶葉が普及し始めたことで、編み目状の茶漉しが主流に。

・砂時計

3分計を使います。1番いい状態で飲むために時間を計ります。大型の茶葉は5〜6分、細かくカットされた均一な茶葉は3分がベスト。ここで1杯目を頂きます。

・ホットウォータージャグ

お湯差し。紅茶の美味しさを1杯目、2杯目と楽しんでいき、ベストドロップといわれる最後の一滴まで楽しみます。1杯目以降、紅茶が濃いと感じた時に薄めるために使うのがお湯。ホットウォータージャグはティーポットの次に大切なものです。

・ティースプーン

コーヒースプーンより一回り大きく、細かい茶葉を山盛りにすくって約3g。茶葉を計量するメジャースプーンにもなりますので、メジャースプーンを買う必要はありませんが、本格的なティータイムを演出するには素敵な小道具。

・ミルクピッチャー

イングリッシュ・ミルクティーを作るためのミルクをいれるもの。不均等質のミルクを使いますが、サラッとした品質のため、たっぷりいれないとミルキー感が出ません。150〜200ccは入ります。

・シュガーポット

昔は砂糖が高級品だったため大きく豪華なものでしたが、現在は小振りなものが主流。

・ティーコジー&ポットマット

紅茶は客人の前で注ぎ、ティーポットをテーブルにセッティングし、最後の一滴まで楽しみます。その際に保温状態を作り出すためのポット用の頭巾とマットです。

・ティータオル

客人が来る前に、茶道具や焼菓子の上に賭けておくものでテーブルの端に掛けておいたり、壁にピンで留めるなどしてアクセントにもなります。

・ティーキャニスター

茶葉の保管容器。昔は宝石箱のようなものでしたが、現在は密封度の高いものならOK。独特の匂いを発していることもあるので、茶葉の香りを損ねないものを選んで。

茶器やアクセサリーはどれも素敵なものがたくさん出揃っています。それはもう、見るだけでトキメキます。テーブルに花を飾り、これらに囲まれて親しい人たちと過ごす時間や、ちょっと贅沢な1人のティータイムは本当に素敵ですよ。

より紅茶を楽しむための美味しい紅茶の入れ方

茶葉をポットに入れて、お湯を注ぎ込むだけでも、紅茶は摘出できます。

が、しかし。これが本当に美味しい紅茶かどうかといわれると話は別です。美味しい珈琲の入れ方があるように、美味しいビールの注ぎ方があるように、紅茶にも美味しい入れ方というものがあります。

美味しい紅茶を入れるのに大切なもののひとつが、《水》です。水は大きく振り分けると軟水と硬水に分かれます。水に含まれているカルシウムとマグネシウムをすべて炭酸カルシウムに換算した時に出る数値によってその硬度を表します。硬度が100未満のものが軟水、100〜300のものが中硬水、300以上のものが硬水となります。

紅茶に適しているのが、中硬水。紅茶は軟水だと色が出にくいのに成分は摘出されやすいので、渋みが強くなりやすいのが特徴です。ちなみに日本はほとんどの地域が軟水です。硬水は茶葉に含まれるタンニンが水のミネラルと結合しやすいため水色が濁りやすいのですが、味がまろやかに摘出できるのが特徴。ヨーロッパ圏はほとんど硬水です。

なので、この中間である中硬水が水色も綺麗で渋みの少ないまろやかな紅茶が入れられるのです。島国である英国は、ヨーロッパ圏でありながら中硬水だったため、これもまた紅茶が普及した理由のと考えられています。

紅茶を入れる時に硬度が高めのヨーロッパ圏のペットボトル水を使うと、まろやかな紅茶を入れることが出来ます。その場合はよく振って酸素を含むようにします。こうすることで茶葉が綺麗に開きます。

この茶葉を綺麗に開かせるためには、酸素がたっぷりと含まれたお湯と、茶葉が綺麗に開くタイプのティーポットを使用することが必須条件です。丸形のティーポットが理想で、紅茶の味、色、香りをバランス良く引き出してくれます。この茶葉を開かせるための仕組みを、紅茶界の専門用語ではジャンピングといいます。

水道水を使用する場合は、カルキ臭を抜くために浄水器や製水器を通したものを使います。蛇口から勢いよく注ぎ、酸素をいっぱい含ませます。

紅茶を入れる時は必ず、新鮮な水を使った沸かしたてのお湯を使います。やかんの中で霧のような細やかな気泡がいっぱいに立ち、その中から直径1㎝ほどの泡が5、6個上がり始めたら火を止めます。この時の温度は96〜98℃です。ここでいう沸かしたてのお湯の状態はこれです。沸かし過ぎたお湯には酸素が残らず、茶葉から美味しさを十分に引き出すことができません。

お湯や茶葉の量は一概に「これがベストな計量です!」というものはありません。茶葉の銘柄や個性などで違ってくるからです。ただ、英国では1人分をティーポットに入れる際、茶葉はティースプーン1杯+1杯が適量とされています。「One for me, One for pot」といって、人数+1杯という意味です。

しかしそれは中硬水の英国での話。日本の軟水を使って入れる時はもう少し控えめがいいです。ティースプーン山盛り1杯もしくは軽めに2杯。結局はさじ加減です。

また、ブラックティーで飲むのか、ミルクティーなのかスパイスティーなのかなど、飲み方でも加減は変わってきますから、いろいろ試してみて、ベストな紅茶を入れられるように練習するのも楽しいですよ。

水も、いろいろな産地のものを試してみたり、軟水と硬水を同じ条件で入れてみて、どんな違いがあるかを飲み比べすると、ベストな紅茶の状態も理解しやすくなるので、紅茶通を目指すなら、いろいろな条件で紅茶を入れて試飲してみて下さいね。

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