紅茶で身体を温めるのに効果的なのが、ブランデーを含んだスピリッツティー。宝珠運な香りを楽しめるだけでなく、寒い時期に身体を温める目的で作られた、ちょっと大人な紅茶です。
スピリッツティーはヨーロッパ圏だけではなく、ロシアやヒマラヤの山岳地帯などの地酒を加えたレシピが世界のあちらこちらでみられます。入れたての熱い紅茶にウイスキーやブランデーを適量注ぐという、ごくごくシンプルな飲み方がベーシックな方法ですが、フルーツやジャム、ハーブ、スパイス、さらにはミルクなどを組み合わせることによっていろんなレシピを作ることが可能な、振り幅の広い飲み方でもあります。
ホット・ティーカクテルといった雰囲気ですが、食前・食後に飲まれていて、寒い日の夜はナイトキャップティーとしても好まれています。
【スピリッツティーの一例】
茶葉は1人分をティースプーンに軽く2杯です。レシピに寄って選ぶ茶葉は異なります。
・チェリーブランデーティー
温めたカップにチェリーブランデーをティースプーン1〜2杯とマラスキーノ漬けのレッドもしくはグリーンのチェリーをセット。上からティースプーン1杯分のグラニュー糖を振りかけます。ドライカモマイルひとつまみと茶葉ティースプーンで軽く2杯。茶葉はクセのないナチュラルなものを選ぶのが理想です。お湯を注ぎ、蒸らし終えたらカップに紅茶を注ぎます。
・ルシアンティー(ロシアンティー)
極寒のロシアで身体を温める目的と、ジャムの摂取でカロリーを補うために考え出された飲み方です。
茶葉はアッサムやダージリン、ウバなどの渋めのものをチョイス。ティースプーンに軽く2杯分をポットに入れ、お湯を注いで蒸らします。ジャム(ストロベリーやブルーベリーなど)を小皿に入れておき、ウォッカをティースプーン1〜2杯振りかけておきます。ウォッカが強く感じる人はロゼワインでは代用できないので、アルコールは抜きで。紅茶をカップに注いだら完成。ジャムを舐めてから、紅茶で流すのがルシアンティーの飲み方。ジャムが余ったら、紅茶に混ぜて飲んで下さい。
・シェルパティー
ヒマラヤ山脈地帯にすむシェルパ民族に伝えられている飲み方です。民族の伝統に従ったレシピだと、正直、クセがありすぎて美味しいとは言えませんが…高山病予防のためにビタミンCたっぷりの山葡萄の搾り汁と、赤ワイン、蜜を身体を温めるための紅茶に入れて飲んでいるといえば、まあ、納得です。ここのレシピは美味しく飲めるようにアレンジされたものです。
葡萄(巨峰かマスカット)1粒を縦半分に切り、ちょっと潰してポットに入れます。残りの半分はさらに半分に切って、温めたカップの中へ入れ、グラニュー糖とロゼワイン(どちらもティースプーン1杯分)と振りかけてセット。茶葉をティーポットに入れてお湯を注ぎ、蒸らします。茶葉はクセのないスリランカ産などを選んで。キャンディがオススメ。紅茶をカップに注いだ後、葡萄の房を縁に飾るとおしゃれ。
また、ミルクを使ったスピリッツ・ミルクティーというものもあります。温めたカップにミルクを注ぎ20〜30cc注ぎ、そこにブランデーもしくはアイリッシュウイスキーを注ぎ、最後に蒸らした紅茶を入れるだけ。ブランデーで入れたものをブランデーミルクティー(茶葉はダージリン、キーマン、ウバ、ヌワラエリア、アールグレイを選んで)。アイリッシュウイスキーで入れたものをアイリッシュミルクティー(茶葉はアッサム、キーマン、ウバを選んで)といいます。
身体が冷えやすい人や寒い夜は、スピリッツティーで温まりましょう。